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ブログトップ 先月、11月12日から1週間、アメリカ ウィスコンシン州 のミルウォーキーに行ってきました。
毎年学生をつれて京都にやってくるウィスコンシン大学のマット・ジャロス教授からお誘いを受け、ミルウォーキー市内で展覧会と講演会をやってきました。
ウィスコンシンはフランクロイドライトの生まれた州で、彼の2番目のアトリエであるタリアセンがあります。タリアセンは、ミルウォーキーから車で2時間くらい行ったスプリング・グリーンという周りに建物が何もないような田園地帯の中にあり、今はライト財団によって管理され公開されています。
今はシーズンオフで特別に開けてもらい、隅々までゆっくりと見せてもらいました。
特に彼の自邸のリビングは高さに変化があり、とても素晴らしい空間でした。
広いリビングには様々なコーナーがつくられていて、広いけれども飽きることがない魅力をそなえています。
窓際のインテリアコーニスの下端は1,900mmくらい。とても低く、立っていると頭をぶつけそうですが、座ると丁度良く、不思議な感覚です。
これはライトが使っていたデスク。ここでスタッフの図面チェックをしていたのでしょう。
次の日はミルウォーキー近郊のマディソンという町で、ライトが1936年以後に手がけたローコストのユーソニアンハウスの1つである、ピュー邸を見てきました。
道路から見るととても低く小さく見えますが、反対の湖側から見ると、のびやかに水平に広がる構成がとてもライトらしい住宅です。
何でも若い建主が落水荘の写真を見て依頼したのだそうで、予算がなかったらしく、かなりローコストでできている感じがしました。
それでも40坪くらいのアメリカではとても小さな家にもかかわらず、ピロティあり、テラスあり、屋上デッキあり と空間の多様さと密度の高さにはさすがに感心しますね。アポなしで場所だけ調べて行っていきなりピンポンをしたのですが、日本から来たと伝えたら、快く内部も見せてくれました。
リビングとテラスからは湖が一望できます。
窓際のダイニングスペースも明るくて気持ち良さそうでした。
奥の方にはCH1,900くらいの天井が低くなった、壁に囲まれたソファスペースがあり、とても落ち着きます。
家の中心には堂々とした暖炉があり、すべての空間を束ねる役割をしています。
この住宅はライトが70才を過ぎてからデザインしたものですが、ローコストにもかかわらず手を抜いたところは一切なく、発想の自由さとエネルギーに満ち溢れており、私も見習わなければと思いました。
その後、ラシーンという町にあるウィングスプレッドというジョンソンワックスの社長の家を見てきました。同じ町にある本社ビルは以前に見たことがあるので今回は行かず、家だけを見てきました。こちらもアポなしでしたが、外観を見ていたら中から声をかけてくれて、日本から来たといったら公開日ではなかったのですが内部をすべて見せてくれました。中央に吹抜けのリビングがあり、見事な空間でした。
その後1日かけてシカゴに行ってきました。シカゴはやっぱりバーナム&ルートのモナドノックビルが最高ですよね。最後はミースのシビックセンターの前で写真を撮ってきました。
ちなみにこれは同じ場所に立つ24歳の時の私。
では いづれまた。
横内