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Ⅰ邸(福岡) グランドカバー

2025.04.10 Ⅰ邸(福岡)

Ⅰ邸(福岡)も竣工まであと1か月半を切りました。
これからは現場監理の頻度が増しそうです。

4月2日と9日の様子を比較しながらご報告します。



まず4月2日の前庭
中・高木の密度が増し、隣地の建物が気にならなくなりました。主庭に向かって奥行の深い世界に視線がすーっと奪われます。
石積みの際にはヒメクチナシが植えられていますが、タマリュウはまだトレーの中です。



1週間後の4月9日
タマリュウが添えられ、土がむき出しだった地面が優しくなり、場が活気づき始めました。



2日の北庭
北庭では苔貼り中。地被類はリュウノヒゲと苔類たち。杉苔、砂苔、地苔を混ぜています。


苔貼りの様子を屋上から見たところ。職人さんの手でパッチワークが広がっていくようで可愛らしいですね。この日は枝垂れ桜も咲いていました。これからどんどん枝葉を垂れ伸ばしていくことでしょう。


9日の北庭。たった1週間でも大分なじんできたようです。中高木たちも瑞々しい緑の葉を着け始めました。



次は2日の主庭(南庭)
まだまだ土の色が目立ちますが



1週間後の9日には
グランドカバーの緑が広がりました。こうして屋上から眺めると、まるでクレーのポリフォニックな絵画から樹木が立ち上がっているようです。

この後、お昼休みにお庭をくまなく散策してみました。地被や下草、低木たち、それぞれ花が終わったり、つぼみだったり、咲いてたり、新芽の具合も色々違っていて、それらをつぶさに見ながら歩き回るのはとても心躍りました。

現代の人々がなかなか触れられない日本の原風景がここにはあります。大北さん曰く「人間の本能は自然との共生を望んでいる。」


室内からも緑の世界を見渡せるようになってきました。そんな緑の中で春一番というツツジがピンクの色を添えています。

しかし、室内は非常に雑然としており工事の佳境を物語っています。取付けを待つ家具の部材や設備機器が所狭しと並べられています。


家具の据え付けをもくもくと頑張る家具屋さん。今や建築工事の進捗は家具工事にかかっています。


3階の浴室には家具の据え付けを待っていたベイスの加藤さんが帰ってきてくれ、家具との取り合いをきれいに納めてくれました。家具が終わらないことには、タイル貼りなど仕上げに進めません。家具屋さんの踏ん張りと地力と腕を信じています。建築工事はまさに佳境です。



再び、庭へ
建て主様の来訪に合わせて、大北さんが水を流してくれました。水の音と流れの動きに一気に心を奪われます。

「水だけは唯一動く素材、どんな形にでもなる。液体にも気体にも固体にもなる。こんな面白いものはない。」そんな大北さんの言葉を思い出しました。そんな水を操り自然を再現する大北さんの手腕に見惚れてしまいます。


さらさらと枝が揺らしながら流れの上を走る風は少しひんやりしていて、とても気持ち良かったです。


大北望さんの手によって深遠な水と緑の世界が出来上がろうとしています。



スタッフ・上野