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ブログトップ名建築さんぽ②
2025.01.10 プライベートアルバム
ちょっと過去の思い出になりますが、訪れてすごく感動した建築をご紹介。
場所は奥能登にあるお宿「さか本」です。
場所は奥能登にあるお宿「さか本」です。
宿として素晴らしいのはもちろんなのですが、今回は建築的な視点で、「体感」にスポットを当てて書いてみたいと思います。
このさか本というお宿では、ある意味時代に逆行した体感を味わうことができます。
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そしてその体感がすごく心地よく感じて、僕には理想的な建築に思えました。
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では、お宿に入ってみましょう。
このさか本というお宿では、ある意味時代に逆行した体感を味わうことができます。
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そしてその体感がすごく心地よく感じて、僕には理想的な建築に思えました。
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では、お宿に入ってみましょう。
伺った季節は3月初旬、奥能登にはまだ雪が残り、春は遠い感じがします。
建物は堂々とした風格があり重厚な歴史的建造物のように見えますが、実は新築の建物。
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設計は高木信治さんという能登で活躍する建築家さんによるもので、
地元に根差した土着的な雰囲気もあって、新築なのに歴史的な感覚がするのかもしれません。
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建物は堂々とした風格があり重厚な歴史的建造物のように見えますが、実は新築の建物。
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設計は高木信治さんという能登で活躍する建築家さんによるもので、
地元に根差した土着的な雰囲気もあって、新築なのに歴史的な感覚がするのかもしれません。
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玄関を上がると豪華な雛飾りが。
それでも大層なお出迎えなどはなく、窓際の水琴窟の音しかしない静けさ。
脇に釣ってある銅鑼を鳴らして到着を知らせます。
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それでも大層なお出迎えなどはなく、窓際の水琴窟の音しかしない静けさ。
脇に釣ってある銅鑼を鳴らして到着を知らせます。
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このお宿のコンセプトは「いたらない、つくせない」ということで、
究極の素朴さを味わうことができるお宿だと思います。
建築もまた、そのように素朴を極めた建物となっていて、
実に示唆に富んだ建築だと感じました。
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究極の素朴さを味わうことができるお宿だと思います。
建築もまた、そのように素朴を極めた建物となっていて、
実に示唆に富んだ建築だと感じました。
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最初に吹き抜けの居間に案内されます。
ここには薪ストーブと囲炉裏しかなくて、エアコンなどの冷暖房設備が一切ありません。
それでも、上着がいらないとまでは言いませんが、程よく暖かい空間になっていました。
開口部は複層建具となっていて、おそらく床壁天井も断熱はされているのでしょう。
ここには薪ストーブと囲炉裏しかなくて、エアコンなどの冷暖房設備が一切ありません。
それでも、上着がいらないとまでは言いませんが、程よく暖かい空間になっていました。
開口部は複層建具となっていて、おそらく床壁天井も断熱はされているのでしょう。
熱源が原始的なものでも、外皮がしっかりしていると暖かさを保てるのだというのは発見でした。
また囲炉裏端にすわっていると、エアコンにはない、ほんわか顔が火照るような暖かさを感じることができます。
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また囲炉裏端にすわっていると、エアコンにはない、ほんわか顔が火照るような暖かさを感じることができます。
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宿泊室は2階にありました。
先ほどの吹き抜けとつながっていて、居間の暖気が上昇して籠もったところが寝る場所になっています。
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先ほどの吹き抜けとつながっていて、居間の暖気が上昇して籠もったところが寝る場所になっています。
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居間から出ると、浴室への至る拭き清められた廊下があります。
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ここからは半外部空間で、キリリとした冬の外気を感じます。
この感覚は好みが分かれるかもしれませんが、昨今の温度差のない空間に慣れている人には新鮮だと思います。
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ここからは半外部空間で、キリリとした冬の外気を感じます。
この感覚は好みが分かれるかもしれませんが、昨今の温度差のない空間に慣れている人には新鮮だと思います。
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こちらがお風呂。
もともと湯治場だった場所をお宿にしたということで、
湧水を焚いたお風呂で体を芯まで温めれば、お風呂上りに浴衣で外気に当たるのが心地よいと感じます。
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もともと湯治場だった場所をお宿にしたということで、
湧水を焚いたお風呂で体を芯まで温めれば、お風呂上りに浴衣で外気に当たるのが心地よいと感じます。
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建物の外へ出て、敷地内を歩くと池にせり出した小さな離れがあります。
10坪もない、草屋根のかわいらしい平屋です。
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10坪もない、草屋根のかわいらしい平屋です。
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中に入るとようやく初めてこのお宿の一連の建物が現代建築なのだと実感しました。
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石張りの土間には床暖房がしてあって、ワンルームの空間は全体に暖かいです。
無駄なくシンプルなのに、十分に快適さを満たしてくれる、
こんな建築が理想だなあとしみじみ思いました。
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石張りの土間には床暖房がしてあって、ワンルームの空間は全体に暖かいです。
無駄なくシンプルなのに、十分に快適さを満たしてくれる、
こんな建築が理想だなあとしみじみ思いました。
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奥能登に最果ての感あり。
なんにもないように感じる景色の中に、現代人が持っていないものを沢山感じます。
それは「古さ」や「なつかしさ」と一概に言えないもので、
こんな最果てだからこそ、都会的に急速に変われなかった中で地道に獲得した「今」みたいなもの、
そういうペースみたいなものを僕らも見直さないといけませんね。
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実はそういうものって、見た目よりも肌感覚的に宿っているのかも…?と、この建築に気づかされたように思います。
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この土地にも震災復興の動きが出ていますが、
復興の急速な変化に流されて、こんな感覚が失われないことを願っています。
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それとさか本さん、営業再開されているそうです。
秋吉
なんにもないように感じる景色の中に、現代人が持っていないものを沢山感じます。
それは「古さ」や「なつかしさ」と一概に言えないもので、
こんな最果てだからこそ、都会的に急速に変われなかった中で地道に獲得した「今」みたいなもの、
そういうペースみたいなものを僕らも見直さないといけませんね。
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実はそういうものって、見た目よりも肌感覚的に宿っているのかも…?と、この建築に気づかされたように思います。
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この土地にも震災復興の動きが出ていますが、
復興の急速な変化に流されて、こんな感覚が失われないことを願っています。
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それとさか本さん、営業再開されているそうです。
秋吉