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I邸(福岡) 大工工事 天井

2024.12.26 Ⅰ邸(福岡)

師走のⅠ邸(福岡)
アプローチの工事が進んでいます。


正門の屋根下地が出来上がりました。
RCの壁から屋根を約1.5m持ち出すので鉄骨を採用しています。まだまだ武骨な門屋です。大工さんによる軒先や軒天の施工が待ち遠しいです。


正門、玄関を抜けてホールにたどり着くと若杉杉杢の天井が迎えてくれます。


ホールから和室までの天井。

手前は幅広の若杉杉杢を使った底目天井。
奥の和室は杉柾目を使った竿縁天井。
竿縁は杉の面皮を使っています。

全て大石建設さんの材料倉庫に眠っていたお宝です。そして、それらの材料が大工さんにより磨かれ生き返り、とても贅沢な一連の空間が出来上がりました。


こちらはリビング。
赤白の柾目が美しい鳥取・サカモトさんの智頭杉を使っています。


室内から外部へと智頭杉が伸びていきます。

この先には大北望さんにより作庭が施されます。担当者である私は大北さんによる造園図をもう何回も繰り返し見ているのですが、幹が立上り緑が生え、水が流れる景色を思い浮かべると楽しみで仕方がありません。


壁、天井、トップライトの取り合い。ここも精巧に仕上げてくれました。


リビングの1角の小部屋ではヴォールト天井の下地を施工中。


2人掛かりで丁寧に曲面を作ってくれています。この場所は天井高も落し、壁も天井も左官材で仕上げるので、他とは雰囲気の違ったコーナーになります。


3階のバンケットルーム。
窓を覆っていたシートが外れたので借景の緑が見えるようになりました。天井材は野地木材さんの源平材です。赤身勝ちなものをそろえてもらいました。ただ、実際は白太の多い材もあるので、メインとなる視線の先に赤身勝ちを集め、裏方に白太の多い材を張ってもらっています。
些細な配慮でも空間の仕上がりが変わることも横内事務所が大事にしている点です。


3階には作庭を施しませんが、隣地の森が季節を感じさせてくれることでしょう。建築の傍らには緑を、いえ、緑を伴なってこそ建築になるのかもしれません。
土や緑、水の流れが近くにあった日本の懐かしい風景を少しでも取り戻せるように師匠・横内の元、建築を作りたいと思います。


スタッフ 上野