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ブログトップ「建築の旅」48(最終回)
2023.07.28 建築の旅
こんにちは。
大学を卒業してアメリカに留学したとき、世界各地から集まった学友たちに現在の日本の様子を紹介するために、一年目の夏休みに帰国して東京の写真を撮り歩いたことがあります。
今日お見せするのは、今から45年ほど前、1978年当時の東京の姿です。
まずは、私が学生時代に4年間下宿していた豊島区駒込3丁目あたり、いわゆる下町の様子です。
大学を卒業してアメリカに留学したとき、世界各地から集まった学友たちに現在の日本の様子を紹介するために、一年目の夏休みに帰国して東京の写真を撮り歩いたことがあります。
今日お見せするのは、今から45年ほど前、1978年当時の東京の姿です。
まずは、私が学生時代に4年間下宿していた豊島区駒込3丁目あたり、いわゆる下町の様子です。
商店街はこんな感じでした。コンビニもスーパーもなく、さまざまな小売店が軒を並べるこのような商店街がどの街にもありました。東京には今でも残っていますが、地方都市の中心部では廃れきってしまった懐かしい風景です。
染井銀座という商店街です。
一日中活気があり、こういう楽しい雰囲気が好きでした。
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一日中活気があり、こういう楽しい雰囲気が好きでした。
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下宿していたのはこのような木造モルタル造の2階建て木賃アパート。2階の6畳一間に粗末なシンクとガスコンロが一口付いていて、トイレ、洗濯場は共同、風呂なしで家賃12000円でした。
裏道はそのようなアパートが立ち並ぶ住宅地でした。
時々こんな空き地があり、子どもたちの遊び場になっていました。
車が通れない狭い路地があちこちにあり、そこも子どもたちの絶好の遊び場でした。
のび太、ジャイアン、スネ夫の世界でした。
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銭湯も至る所にありました。
新しいところに引っ越してまずやるのは、高いビルに登り、上から最も近い銭湯の煙突を見つけることでした。
入り口の両側に牛乳とヤクルトの自動販売機があるのが懐かしい。
ちなみに入浴料は48円、ラーメンが180円という時代でした。
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新しいところに引っ越してまずやるのは、高いビルに登り、上から最も近い銭湯の煙突を見つけることでした。
入り口の両側に牛乳とヤクルトの自動販売機があるのが懐かしい。
ちなみに入浴料は48円、ラーメンが180円という時代でした。
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木造の現場も足場はみな丸太でした。
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変わって、都内でも戦災を免れた月島あたりの民家です。
当時はまだこのような路地裏に長屋がたくさん残っていました。
狭い路地に植木鉢を置いたり物干しを作ったりして生活感満載なのがいいですよね。
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狭い敷地でなんと見事な植栽でしょうか。
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これは根津か根岸あたりの町家でしょうか。
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打って変わって高島平の高層団地群。
完成してすぐに飛び降り自殺の名所になってしまいました。これもまた東京の姿でした。
完成してすぐに飛び降り自殺の名所になってしまいました。これもまた東京の姿でした。
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次は新宿の繁華街の様子。
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次は新宿の繁華街の様子。
いいですねぇこの感じ。
昭和って人間臭いんですよね。
昭和って人間臭いんですよね。
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最後に私が一番好きだった風景をお見せしましょう。
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最後に私が一番好きだった風景をお見せしましょう。
それはここ、原宿の同潤会アパートがあった、表参道沿いの風景です。
パリのシャンゼリゼにも負けないくらい美しい街並みだと思っていました。
共同住宅として作られましたが、1階は一部店舗に改装されていたりしました。
アイビーに覆われた外観がなんとも言えず素敵でした。
大都会でも緑にあふれ、歴史を感じることができ、街の中にさまざまな人が暮らしていて、その人々の日常生活の何気ない幸せがにじみ出てくるような街が最も素晴らしいと思います。
私にとってこの表参道の風景は、すべてが調和した理想と言える環境でしたが、残念ながら今はもうありません。
なぜそうなってしまうのか、考えさせられることが多い今日の日本です。
私にとってこの表参道の風景は、すべてが調和した理想と言える環境でしたが、残念ながら今はもうありません。
なぜそうなってしまうのか、考えさせられることが多い今日の日本です。
さて、長い間続けてきた建築の旅もこれで終了します。
古いスライドばかりでしたが、いかがお楽しみいただけましたでしょうか。
振り返れば、18歳で故郷を離れてからずっと旅を続けていたような人生でした。それもまだ途中で、これからもまだ旅を続けていくのだろうと思います。
玄関を出る毎日が旅であり、人生そのものが旅なのだという気持ちで、これからも新たな発見と新鮮な感動に満ちた日々の中で建築に取り組みたいと考えております。
では皆様、いずれどこかの旅の途中でお会いできますように。
2023年7月28日、若王子にて
横内敏人
古いスライドばかりでしたが、いかがお楽しみいただけましたでしょうか。
振り返れば、18歳で故郷を離れてからずっと旅を続けていたような人生でした。それもまだ途中で、これからもまだ旅を続けていくのだろうと思います。
玄関を出る毎日が旅であり、人生そのものが旅なのだという気持ちで、これからも新たな発見と新鮮な感動に満ちた日々の中で建築に取り組みたいと考えております。
では皆様、いずれどこかの旅の途中でお会いできますように。
2023年7月28日、若王子にて
横内敏人