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「建築の旅」43

2023.06.23 建築の旅

こんにちは。

今回、まずは奈良の慈光院から見ていきましょう。
これはアプローチ。
ほとんど作意を感じさせない、一見地味な石畳でした。

茶人、片桐石州が建立した寺で、奈良盆地のはずれにあるせいか、建築も庭園も彼が設計したものがほとんど当時のまま残されています。

主屋の屋根は茅葺きで、普通の民家のような佇まいです。
この軒内空間の開放性は本当に素晴らしいと思います。
寺は台地の上にあり、かつては奈良盆地の田園風景が借景となっていた様です。サツキの大刈り込みがとても現代的ですね。



次は京都の蓮華寺です。
慈光院とは違い、軒内には柱が沢山あるのですが、それにより庭の樹木達が室内に入り込んでいるような錯覚に陥ります。

私が何度となく訪れた庭で、その度に新しい発見があります。

一面の苔庭も素敵です。



次は岡山県、高梁市にある頼久寺です。
小堀遠州が若い時過ごした寺で、作庭も遠州によるものです。
借景とサツキの大刈り込みが見事な庭です。
うねる刈り込みは3段になっていて、筋の様に見えるのは管理用の通路になっています。
飛び石は荒々しく、大胆で、遠州の若々しさが出ているような気がしました。

次回も庭にまつわるお話です。

ではお楽しみに。
(横内)