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「建築の旅」35

2023.04.21 建築の旅

こんにちは。前回に引き続きバルセロナを訪れます。

ガウディのカサ・パトリョはカサ・ミラと同じ通りの向かいにあります。
カサ・ミラに比べて規模は小さい建築ですが、装飾の密度はそれ以上のものがあります。


夜景はとても幻想的です。
これはカサ・パトリョの隣にある建物ですが、これもガウディの設計です。

次はグエル公園に行ってみましょう。
アントニオ ガウディは1852年、スペインのカタルーニャ地方に生まれ、小さいころ重度のリウマチを患うなど苦労して育ちます。
建築家を目指してからは繊維業の富豪だったグエルに才能を見出され、グエル公園をはじめ、グエル邸やコロニアグエル教会などを手がけます。

代表作であるサグラダファミリアは若干31歳の若さで専任建築家に指名されて以来、敬虔なカトリック教徒で独身だった彼は特にキャリアの後半では、その設計と建設に一生を捧げて取り組みます。

しかしバルセロナの経済状況が悪化し、思うように計画が進まない中、1926年、過労でふらついて歩いていたところを路面電車にひかれて73歳で志半ばにして亡くなってしまいます。そしてその時の身なりがあまりに汚かったために浮浪者として埋葬されてしまいます。身なりにも一切気がいかないほど没頭していたということなのでしょう。天才建築家ガウディを物語る最後ではないでしょうか。




バルセロナの最後にミース ファン デル ローエのバルセロナパビリオンを訪れます。
1929年、バルセロナで行われた万国博覧会のドイツ館として作られ、その後取り壊されましたが、ミースの生誕100周年を記念して1986年にほぼ同じ姿で復元されます。私が訪れたのは復元されて間もない頃でしたので、とても綺麗でした。
モダニズム特有の抽象的な空間構成はもちろん見事でしたが、同時にクロームやガラスや石の素材感の確かさが強く印象に残る空間でした。
やはりミースは石工の息子なので素材とディテールに対するこだわりがあり、工業化の中にもクラフトマンシップを感じました。
では、次回からはヨーロッパを離れ、35年タイムスリップしてまだ近代化が進む前の中国を訪れます。

では、お楽しみに。

(横内)