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「建築の旅」10

2022.11.11 建築の旅

こんにちは。

今回はユーソニアンハウスと呼ばれる、1936年以降のライトの住宅を紹介します。
キャリア前半で確立したプレーリーハウスというスタイルとは異なり、低コストで一般の市民向けに設計されているのが特徴です。
世界恐慌の時代ということもあり、装飾性はほとんどなくなり、レンガやレッドウッドなどの安価で素朴な材料を用い、コンパクトですが、インテリアの空間に広がりがある設計となっています。

私はライトのこの時期の一連の住宅がとても好きで、若い頃よくプランをトレースしたりしたものです。

これからお見せするのは、落水荘を見た若い建主が、お金がないにも関わらず落水荘のような斜面地の敷地を手に入れてライトに落水荘のような家を依頼して出来た家で、ピューハウスといいます。
私が行ったのは2017年、アメリカ人の友人と、アポ無しでいきなり行って、見せてもらいました。1938年完成ですので、築80年近いのですが、オリジナルのまま、住み継がれていました。アメリカは建築をほんと大事にしますよね。感心しました。
湖のほとりの斜面に建っています。構造は落水荘のような鉄筋コンクリートではなく、木造でできていますが、大きなテラスがキャンティレバーではり出しているところとか、落水荘の面影があります。
木造のテラスは、なんと!防水も何もなく、雨ざらしのスノコ状態。
しかもそこに目透かしで天井板が貼ってあるという大胆なつくり。いくら米杉が水に強いとはいえ、雨の少ないアメリカ内陸ならではの収まりでした。


テラスの下も素敵でした。


アプローチ側の外観。



インテリアはこんな感じ。
日本の家に近いサイズ感でした。暖炉がやっぱりかっこいい。
ライトはこういうコーナーの作り方がうまいですね。
天井高さは2100㎜くらいでした。
アポ無しだったので、キッチンは少しごたついてました。
階段はこんな感じ。
テラスの向こうには湖が見えるはずなのですが、あいにくの霧で見えませんでした。
木は切らずにテラスを貫通させてました。



今回は以上です。

そろそろアメリカを後にして、次回は北欧に行きましょう。
ではお楽しみに。

(横内)